東京は神宮の森で開催されている、東京デザイナーズウィーク2014の屋外展示の中にちょっと気になるものを見つけました。
九州産業大学芸術学部の作品「カタッち」です。
これは、作品展のテーマ「アバンギャルド」を人が住む部屋にある生活の痕跡から表現したものです。
「極端な表現の先には未知の可能性が秘められている。」
という言葉に興味を引かれ、中を覗いてみました。
これは2週間にわたり、チームメンバーの児玉和音さんが実際に住む部屋のデータをとって作り上げたものです。
部屋の中で歩いた場所、触った場所が多い箇所ほど立体的に表現され、そうでない場所には何もありません。
例えばPC。よく使うエンター・キーやショートカット・キーはその存在を主張しています。こんな表現をすることによって、例えばよく使う箇所を大きく作るなど、実際の商品デザインへの展開もできるかもしれませんね。
これはテレビです。
離れた場所からリモコンで操作するので、モニターがある場所には空虚な空間が広がるだけです。
少し視点を変えると普段見慣れているはずの部屋は全く別の意味を持った空間となります。
床に目を転じてもそこは決して平ではなく、積み重ねられた足跡が生活者のこの部屋での日々を伝えてくれます。
同じ部屋でも男性、女性、子供、老人、或は一人暮らし、家族など暮らし方が変わるとまた違った表情が見られることでしょうね。
コンセプトメイキングの中心になった児玉さんが、丁寧に作品を解説してくれました。
実際の部屋の生活データのみならず、段ボールで実寸大の部屋のセットを作り、両手に黒インクを塗って生活を再現し、作品の完成にこぎ着けたそうです。
考えるきっかけは普段の生活の中にいくらでもある、ということを教えて貰いました。
東京デザイナーズウィークは11月3日まで開催です。是非訪ねてみてください。面白いです。